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越野 雅至*; 倉田 博基; 磯田 正二*; 小林 隆史*
Micron, 31(4), p.373 - 380, 2000/03
被引用回数:12 パーセンタイル:18.81(Microscopy)遷移金属元素の2p電子を励起して得られるL及びL吸収スペクトルは、金属の電子状態やスピン状態に敏感であることが知られている。本研究では、TiからCuが配位したフタロシアニン分子の結晶性薄膜について、電子エネルギー損失分光法によりL,スペクトルを測定し、その電子状態を検討した。その結果、L+Lの総強度は、各金属元素に局在するホールの数とよい相関関係にあることが見いだされた。また、Lをこの総強度で割った、ブランチング比は高スピン状態にある金属元素ほど高い値を示すことが明らかになった。
玉田 正男; 越川 博; 細井 文雄; 諏訪 武
BEAMS 1996: 第7回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム, 0, p.157 - 160, 1996/00
銅フタロシアニンは光や熱に対して安定であり、雰囲気中のNOガス濃度に依存して電気伝導度が大きく変化することから、ガスセンサー材料として期待されている。本研究では蒸発物質として銅フタロシアニンを用い、重力ベクトルと逆方向及び準方向に蒸着を行い(それぞれを上面及び下面蒸着とよぶ)、作製した薄膜の配向を調べた。下面蒸着では型の(200)面が基板表面に平行に配向した薄膜が得られ、しかも上面蒸着に比較して、より高度に配向していた。このように作製した薄膜の配向に重力の影響があらわれるため、宇宙ステーション取付型実験モジュール利用に備えて、外径29mm、長さ500mmの円柱状の真空容器を作製した。この容器を用いて薄膜を作製した場合においても型フタロシアニンの(200)面が基板表面に対し平行に配向する傾向が認められた。
馬場 澄子; 茂木 照十三
Radiochimica Acta, 29, p.135 - 137, 1981/00
中性子照射したモリブデンのフタロシアニン化合物中に生成するMoの反跳現象を研究し、この現象の効果を用いて高比放射能のMoの製造が可能か否かを検討した。Moの反跳収率は照射時間に関係なく70%以上の高率であったが、濃縮係数は照射時間が増加するに従って低下した。中性子束310n/cm・secの照射条件では、反跳効果で得られる最も高いMoの比放射能はMoが飽和するまで照射した処理を加えないモリブデンターゲット中のそれの、約5.7倍であった。
小林 勝利; 石川 勇
JAERI-M 7402, 25 Pages, 1977/11
4-同時計数法によるCuの絶対測定を行ない、その精度を確認するため、CoおよびNaを用いた効率トレーサ法によるCuの絶対測定を実施し、併せて定常検定用井戸型電離箱の較正定数を決定した。均一な線源を得るため、型フタロシアニン銅についてのチラルド・チャルマー法を適用して得た高比放射能のCu溶液を用い、望ましい線源調製技術を検討した。線の自己吸収に対する補正は、陽電子の検出効率を系統的に変えて外挿することにより行ない、実験はオージェ電子を完全に吸収するアルミニウム吸収板ではさんだ線源に対する全放出数を測定することによって行っている。本報で報告する測定法の精度は、線分岐比などの核データの確度に依存するが、効率トレ一サ法との比較を行なった結果は1%以内で一致した。
吉澤 怜奈*; 菅原 利史*; 有谷 博文*; 島田 明彦; 出崎 亮; 箱田 照幸; 杉本 雅樹; 吉川 正人
no journal, ,
固体高分子型燃料電池の白金代替カソード触媒の候補の一つに、高分子を高温で焼成することにより得られる炭素骨格を有する材料(炭素触媒)がある。本研究ではこの炭素触媒を作製する際に、前駆体高分子に金属元素含有物質を添加することによって、得られる炭素触媒の酸素還元活性への影響を調べた。具体的には、カルボキシメチルセルロース(CMC)に金属(Co又はFe又はCu)を含むフタロシアニン(Pc)又はPcを5wt%添加し、精製水を加え、ゲル状のPc-CMC混合物を調製した。これに電子線で100kGyの照射を行い、脱水後、800Cで1h、窒素雰囲気で焼成することで炭素触媒を得た。この触媒の電気化学測定を行い、その結果から酸素還元電位を求めた。するとCoを含むPcを添加したCMCから作製した炭素触媒は、他の金属を含むPcを添加したCMCやPcを添加したCMCから作製した炭素触媒に比べて酸素還元電位が0.1V程度高くなることが分かった。これはCMCの代わりに別の高分子を用いて作製した炭素触媒の結果と同様の傾向であった。Coを前駆体高分子に添加することにより、得られる炭素触媒の酸素還元活性が高くなることが示唆された。